
出版創作イベント「NovelJam’[dash]2019」全作品
「著者」と「編集者」と「デザイナー」/ チームで挑む、集中創作道場
この書籍は、NPO法人HON.jpが2019年11月2日から3日にかけて開催した出版創作イベント「NovelJam(ノベルジャム)」に参加した44人が、初日に運営から提示されたお題「変」に基づきゼロから生みだした22作品を合本したものです。

「NovelJam」とは「著者」と「編集者」、そして「デザイナー」が集まってチームを作り、小説の完成・販売までを目指す『短期集中型の出版創作イベント』です。ジャムセッション(即興演奏)のように参加者が互いに刺激を得ながら、その場で作品を創り上げています。今回は合宿なしで実施し、創作に全力ダッシュな2日間となりました。そこから生まれた燃え上がる創作の成果をお楽しみください。
NovelJam(ノベルジャム)は、NPO法人HON.jpの登録商標です(登録番号6115964号)

Spec
TEAM & WORK
チームと作品
NovelJam'[dash] 2019 特別チーム賞 受賞
近くにいるけど出会えない、遠くにいるけど隣に感じる……そんな二人の「織り成さない」ストーリーを2行の文章で表現した小説。あなたから見た私と、私から見たあなた。同じ虹を見ていても、ふたりの視線は交わりそうで、交わらない。愛し合う/愛し合っていた、ふたりの距離が、たった2行の文章で構成される世界。あなたがどこをどのように読むかによって、ふたりの物語は躍動し、発展し、変化する。一度では読み切れない、二度目には読め方が変わる、re:readability(再読性)に優れた、恋愛小説です。一度で終わっちゃう愛は、愛じゃない。
NovelJam'[dash] 2019 小浜徹也賞 受賞作
名前は単なる記号か? はたまた人の存在意義か?
夫婦別姓問題に鋭く切り込む(かもしれない)、ハートウォーミング・社会派・ジェンダー・ラブストーリー。
●あらすじ:記者である貴子と、名家の跡取りである高広は、交際7年。結婚を意識しているふたりだが、問題はお互いが名字を変えたくないこと。高広の実家に向かったふたりを未曾有の台風が襲う。経験したことのないピンチに陥ったふたりを救ったのは、奇しくも相手の名字だった……。
●著者より:陰陽道では「名前は原始的な呪いである」と言われています。自分の名前や名字にこだわりを持つ人は少なくありません。ですが日本の婚姻制度では、夫婦で別の名字を名乗ることは認められていません。妻の姓に合わせる夫婦は全体の5%。名字にこだわりのあるカップルが結婚するとしたらどうするのか? サラッと読めて、ちょっと考えさせられる作品となってます。ぜひお読みください!
「この店では雨の日に話が途切れたら怖い話をするというルールがあるんです」バーのマスターから切り出された問いかけに、客で訪れた男が語り始めたのは、少女と笑い狼の神社を探して歩いたことだった。「おじちゃん、笑い狼知らない?」笑い狼とは大犬神社の狛犬ならぬ、狛狼の瞳に年に一度だけ夕日が差し込み、笑ったように見えることを言う。それを見た者の願いを叶うのだそうだ。「おかしいの……あるはずなのに……」少女の記憶を辿ってさ迷っても、なかなか神社には辿りつかない。どうやら少女の記憶の街はどれも30年前で止まっていたのだ。男はそこで初めて、少女が30年前に亡くなった自分の妹ではないかと感じるようになる。ようやく辿りついた神社は、ビルの影になり、もう夕日は差さなくなっていた。笑い狼は笑うのか? 少女の願いは叶うのか? 生きている者と死んでいる者が交錯するバーで、雨の夜に、不思議な話が始まる。
イタリアンレストランでシェフをやっている白辻冬弥の裏稼業は吸血鬼ハンターだ。物心ついた時から吸血鬼狩りとして生きていた彼の常識は、1人の女吸血鬼との出会いによって変わっていく。あろうことか、彼は生まれて初めての初恋を吸血鬼に捧げてしまったのだ。彼女は人の血ではなくバラの精気だけを吸って生きる強く気高い女性だった。
それでも彼女を狩らねばならない。冬弥は彼女を狩るためと自分に言い聞かせるが、実際にやっているのはデートへのお誘いというチグハグな行動。同僚にからかわれ、自分の変化に戸惑う冬弥。そんな彼の元に、別のハンターが彼女を狩りに行ったという報告が……
NovelJam'[dash] 2019 長瀬浩明賞 受賞作
世界一美しいとされるビッグジェム、『オパールの女王』が忽然と姿を消した! なんとしても明日までに見つけなければならないのに、海辺の豪邸での失せ物探しにやって来たのは、トンチキな教授に騙された謝礼目当ての学生一人……!?
宝石商の美女、不機嫌な富豪、だらしのない放蕩息子。そして、花を摘む一人の少女。探偵はおらず、推理の必要もない。ただ、『失せ物』を見つけ出せばいいだけのはずだったのに!
夏の終わりの夕凪に、黒い水面を突き破り、≪奴≫は姿を現した――。
☆文藝ハッカソンイベント、NovelJam'[dash] 2019参加作品。当日審査においてファーストインプレッション賞一位を獲得。チーム「くま式」が贈る、ちょっと不思議な物語。
NovelJam'[dash] 2019 有田真代賞 受賞作
NovelJam'[dash] 2019 優秀デザイン賞 受賞作
「友達の友達と帰りの電車の中、一緒にいた友達だけ帰った時に気まずくなってしまうことを解決するシステム」を開発せよ――。イノベーション研修、などというお題目の研修会で、即席の四人のメンバーで適当にブチあげた製品企画が特別賞を取ってしまい、泣く泣く始まる開発。
自分で考えた企画ながら、パワーポイント上「AIで」などと言って誤魔化したあたりの実装は困難を極めた。深夜に主張される偏ったアイディア、テストを進めても進めても次々発覚する欠陥……。
やる気がなかったはずの開発は、意地なのか使命感なのか、残業代は支払われないまま、朦朧とした意識の中でついに完成する。ここまで素晴らしい製品を仕上げたのだから、きっと素晴らしい反響があるに違いないさ。ハハハハ……。
そして反響はやってきた。それこそ、運命を揺るがすようなやつが……。それは、誰の運命かと言えば――。

柿崎俊道(編)
fmyk(デザイン)
「ママ」「私は」「だいじょうぶ」
娘が手話で伝えてくる。
「本当に大丈夫なの?」
娘を信じきれない母の心は揺れた。
重度の聴覚障害を持つ娘は『ろう者』である。
娘は高校を卒業し、独り立ちの時を迎えていた。
日々不安に苛まれながら娘を守ってきた母は心配でならない。
幼いころの娘は砂遊びが好きだった。
砂場で遊ぶ娘をみながら、母は「この子を守らなければならない」という重圧に埋もれ続けていた。
時は流れ、娘は成長し、母を苦しめていた重圧の砂は少しずつ容を変えていく。
母と娘を解放する、成長と信頼の物語。
Work Appreciation Judges

米光一成
(作家・ゲームデザイナー)

藤井太洋
(作家・HON.jp理事)

小浜徹也
(東京創元社・編集者)

内藤みか
(作家)

有田真代
(monokaki編集長)
Design Award Judges
山家由希
(エディトリアルデザイナー)
長瀬弘明
(日大藝術学部教授)
和氣正幸
(本屋ライター・BOOKSHOP TRAVELLER)
NovelJamから生まれた熱い創作の成果をお楽しみください。
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