合宿で書き上げた小説を内容と販売活動に基づき評価・創作イベント「NovelJam 2018」グランプリ授賞式開催・総合グランプリはミステリー『REcycleKiDs』に決定!

合宿で書き上げた小説を内容と販売活動に基づき評価・創作イベント「NovelJam 2018」グランプリ授賞式開催・総合グランプリはミステリー『REcycleKiDs』に決定!

2018年3月27日 投稿者:

特定非営利活動法人日本独立作家同盟(東京都練馬区、理事長 鷹野凌)は、2018年3月26日に、創作イベント「NovelJam2018」のグランプリ授賞式を 3331 Arts Chiyoda(東京都千代田区)で開催いたしました。これは、2月10日から12日の2泊3日、「著者」「デザイナー」「編集者」がチームとなって生みだした16点の「本」を、作品の内容・表紙デザイン・販促PRの3つの観点から審査し、総合的な評価の作品に「NovelJam2018グランプリ」を授与するというものです。

▼NovelJam公式サイト
https://www.noveljam.org/
(当日賞の結果もご覧いただけます)
▼NovelJam 2018 作品一覧
https://bccks.jp/store/noveljam2018/
https://bookwalker.jp/series/151131/

イベント最終日には当日審査員による作品審査の上、各賞が既に授与されています。グランプリ審査員は、SF作家の藤井太洋さん、漫画家の鈴木みそさん、漫画家・イラストレーターの山田章博さんが務めます。

デジタル・ネットワークを活用して出版の未来を切り拓くことを目的としたライブパブリッシング・プロジェクト「NovelJam」は、今回が2回目の開催です。ジャムセッション(即興演奏)のように、参加者が互いに刺激を得ながら、「平成」というお題に沿って、その場で本を創り上げました。ここから生まれた本は、実際に電子書店にて販売され、その売り上げや各チームが創意工夫を凝らして行った販促PR活動もこのグランプリの審査対象となっています。

【NovelJam 2018グランプリ】

  • 作品名『REcycleKiDs』
  • 著者:ふくだりょうこ
  • デザイナー:波野發作
  • 編集者:野崎勝弘
  • 概要:極秘プロジェクトで子のない夫婦が虐待に遭った子どもたちを引き取れる地域のこども館。ほとんどが四歳までに引き取られていく中、十七歳のアキがいた。彼女を引き取ったのはかつて自分を虐待した叔母の息子だった。
  • 講評より:今回のNovelJamの狙いは、2泊3日という短期間の間に初対面の作者と編集者、デザイナーがチームを組んで創作・制作・出版を行うだけでなく、その後の販売やプロモーションにおいても各チームが斬新な試みをしてくれることにあった。グランプリ受賞作に決定した『REcycleKiDs』は、この趣旨にまさにふさわしい作品である。

REcycleKiDs

【NovelJam 2018藤井太洋賞】

「作品と表紙デザインや挿絵等を含めた、物語と本全体としての完成度」をもとに評価。

  • 作品名『オートマティック クリミナル』
  • 著者:高橋文樹
  • デザイナー:嶋田佳奈子
  • 編集者:澁野義一
  • 概要:人が死ぬはずがない街で、人が死んだ。妹を失った少年が、街を支配するシステムに立ち向かう。明らかになる衝撃の真実とはーー? 未来を示唆するディストピア小説の最前線。
  • 講評より:本作を評価する理由はいくつもあるが、特に唸らされたのが平成というお題から連想される「ゆとり世代」の扱いだ。事実と関係なく劣った世代として扱われがちな平成生まれの人々に、高橋は「おとり世代」という名をつけ、統計によって処理される集団として描くことで、主人公の挑む特別区「海幕」の社会システムがわたしたちの住む社会と同じ問題を抱えていることを提示する。属人的なラベルに対する怒りが本作の正義を浮き上がらせてくる展開は、フィクションならではのものだ。

オートマティック クリミナル

【NovelJam 2018山田章博賞】

「本文と表紙を照らし合わせながら、読みたくなる魅力的な表紙・挿絵であるか?」をもとに評価。

  • 作品名『その話いつまでしてんだよ』
  • 著者:森山智仁
  • デザイナー:杉浦昭太郎
  • 編集者:米田淳一
  • 概要:昭和64年1月、全国的に吹き荒れた自粛ムードが小劇団の公演に襲いかかる。理不尽に翻弄される団員、自粛を迫る善意の暴力! 公演は中止すべきなのか? 貧乏劇団の明日はどっちだ!
  • 講評より:昭和から平成のあの日、日本のそこかしこで起きていたかも知れない出来事について群衆に向けたマイクが雑踏の中から拾ったような『言葉』。そして、そのタイトルを印象づけるのに成功している装丁だと思いました。黒い額縁と喪章に対比して、変にポップなタイポグラフィとテキスタイルが、本文に描かれている悲喜劇を巧みに表しています。

その話いつまでしてんだよ

【NovelJam 2018鈴木みそ賞】

「販促・PR活動などの本にまつわる活動全般」をもとに評価

  • 作品名『バカとバカンス』
  • 著者:天王丸景虎
  • デザイナー:波野發作
  • 編集者:野崎勝弘
  • 概要:神は、人間を賢く作りすぎたため、勝手に主張される世界設定にふりまわされていた。主人公はバカで、生存力が低かったが、神が賢い人間を皆殺しにしたため、生き残る。神様の作った「平たい世界」で生きていく。
  • 講評より:鈴木みそ賞は、TシャツにQRコードを埋め込んで町で手売りまでやった『バカとバカンス』の天王丸景虎さんに送ります。いらすとやを使った装丁も強く印象に残りました。同チームの『REcycleKids』の装丁も美しかった。デザイナーの波野さんのお仕事ですね。おめでとうございました。

バカとバカンス

【NovelJam 2018特別賞】

『グッバイ、スプリング』※チームに対して

講評:NovelJamにおける「小さな出版社」を体現した一つの形。同作品は、チームが一丸となって作品の世界観を盛りたてる活動を、三人がそれぞれにできるなかで取り組んできたと言える。作品とチーム全体の伸びしろ、今後の著者自身の創作活動への期待感などを込めつつ、作品と作品に携わった「小さな出版社」の今後の活躍に期待したい。
グッバイ、スプリング

なおグランプリ・当日賞・特別賞・エブリスタとの共催イベント「裏ノベルジャム」などNovelJam 2018の関連全作品と審査員講評などを収録した『出版創作イベント「NovelJam 2018」全作品』、また、第1回の作品を収録した『出版創作イベント「NovelJam 2017」全作品』をBCCKSから発売いたします。3月26日から4月2日までの1週間に限り割引価格となります。

『出版創作イベント「NovelJam 2018」全作品』

https://bccks.jp/bcck/153869/info
電子書籍(税込):3,672円
紙本(税込):3,672円 → 割引価格:3,485円
NovelJam 2018 合本

『出版創作イベント「NovelJam 2017」全作品』

https://bccks.jp/bcck/153909/info
電子書籍(税込):3,672円
紙本(税込):3,672円 → 割引価格:3,511円
出版創作イベント「NovelJam 2017」全作品

また、グランプリ授賞式では次回のノベルジャムについて、2018年11月23日~25日の3日間を計画していることもあわせて発表されました。詳細は公式サイトなどで随時お知らせしてまいります。

【NovelJam 2018グランプリ審査員】

◯藤井太洋(ふじいたいよう)

作家。1971年生まれ。2012年、電子書籍『Gene Mapper』をセルフパブリッシングして話題に。翌年、増補改訂版『Gene Mapper -full build-』を早川書房より刊行。2014年には『オービタル・クラウド』(早川書房)を発表、第35回日本SF大賞を受賞する。ほか、個人情報の危機を描く警察小説『ビッグデータ・コネクト』(文藝春秋)など。日本SF作家クラブ第18代会長。 日本独立作家同盟理事。
http://blog.taiyolab.com/

◯鈴木みそ(すずきみそ)

マンガ家。1963年静岡県下田市出身。美術予備校時代から、編集プロダクションのライターとして雑誌作りに関わる。ゲーム攻略、記事、コラム、イラスト、全般をこなす。元編集者兼ライター兼イラストレーター。東京芸大油絵科除籍後、プロダクションから独立。初めて描いたマンガをビッグコミックスピリッツに持ち込み掲載。マンガ家となる。
http://misokichi.com/

◯山田章博(やまだあきひろ)

マンガ家/イラストレーター。1957年高知県出身、京都府在住。漫画家、イラストレーター、京都精華大学マンガ学部客員教授。イラストレーターとして多くの表紙絵や挿絵を手掛けており、『十二国記』(小野不由美・著)の挿画は国内外に広く知られている。その他、ゲームやアニメ・特撮のキャラクター原案、映画のコンセプトデザイン等にも携わる。現在「BEAST of EAST〜東方眩暈録〜」(幻冬舎『月刊バーズ』)連載中

http://kirakuya-honpo.hustle.ne.jp/yamada-akihiro/

【NovelJam2018の様子】

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

NovelJam 2018 記念写真

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

Photo by 川島彩水(Ayami Kawashima)

日本独立作家同盟では、今後も「NovelJam」を始めとして、先般発表させて頂いた株式会社hon.jp様からのニュース事業の承継(調整中)など、出版の革新に様々な活動を通じて貢献してまいります。最新情報やお問い合わせは下記までお願い致します。

【日本独立作家同盟について】

出版を革新しよう!
わたしたちは、著者や読者など、すべての出版に関わる人々を対象に、だれでもどこでも、デジタル・ネットワーク技術を活用した、革新的で自由な出版活動を行える、豊かな社会づくりに貢献する団体です。
日本独立作家同盟URL: https://www.aiajp.org

【本件に関するお問い合わせ】

特定非営利活動法人日本独立作家同盟 理事長 鷹野凌
TEL: 050-3749-8416 E-mail: contact@aiajp.org
〒177-0052 東京都練馬区関町北3-3-12 NSビル201